「マークイズ金町」の華やかなオープンの裏で、もう一つ区民の目に触れにくい“闇”があります。
それが、再開発ビルの地下に整備された 東金町地下駐輪場 です。
問題点① 利用者目線を欠いた立地
この駐輪場は、駅から徒歩7~8分もかかる再開発ビルの地下に設置されました。
通勤や通学で急ぐ人が、わざわざ遠回りして地下まで駐輪するのか?
利便性を考えれば、もっと駅近に整備する方が合理的だったはずです。
問題点② 莫大な取得コスト
区はこの駐輪場を 8億3千万円 で取得しました。
収容台数は1,400台――つまり 1台あたり約60万円 に相当します。
駐輪場としては異例の高コスト。
これだけの税金を投じるのであれば、利用しやすい立地に設置すべきだったのではないでしょうか。
問題点③ 利用の低迷
実際の利用状況を見ても、その不便さは数字に表れています。
定期利用:1,200台分の枠に対し、9月1日時点で契約はわずか234台。
一時利用:まだごく少数にとどまっており、期待された利用は広がっていません。
つまり「作ったはいいが使われていない駐輪場」となってしまっているのです。
この駐輪場の取得に反対したのは、区議会40人の中で反対したのは小林議員ただ1人でした。当初は金町地区センターの隣の敷地(再開発で生み出される広場)に機械式駐輪場を設置する予定でしたが、いつの間にかその話は立ち消えになりました。
考えられるのは、葛飾区がこれまでも市街地再開発事業を行うたびに、区がビルの床を取得することで再開発事業を“陰で支える構造”を取ってきたということです。
金町南口の再開発「ヴィナシス金町」では中央図書館、
ベルトーレ金町ではカナマチぷらっとなど、いずれも区の施設が入っています。
つまり、今回も「利用者の利便性」ではなく、再開発事業を支援するための“床取得”が優先されたと見られます。
隣の江戸川区では、葛西駅や平井駅の地下駐輪場はいずれも出口を出るとすぐ駅改札口という合理的な配置です。
それに比べ、駅から遠く離れた地下に高コストの駐輪場をつくるのは、ナンセンスと言わざるを得ません。