【小林ひとし質疑】
この度、菅野勇人議員、鈴木信行議員、広田さくら議員と私の4人で、新会派「フロンティアかつしか(維新・参政・無所属)」を結成いたしました。会派を代表し、一般質問を行います。
本区と東京理科大学との和解の議案が、今定例会に上程されます。この和解と、これまでの本区の対応について伺います。当該用地は、三菱製紙の工場跡地等をURが取得・整備し、葛飾区土地開発公社を経て本区が取得し、平成30年に譲渡代金20億8千8百万円で大学へ売却しました。その敷地に校舎を建設する過程で、地中深くから自然由来のヒ素等が基準を超えて検出されました。その汚染土の処理費用を本区が負担すべきとして、約7億8千万円の支払いを求める訴訟が提起され、東京地方裁判所から和解勧告を受けて、今日に至ります。
この土地は、区が自ら利用するためではなく、大学へ引き渡すための橋渡しとして、瑕疵担保の定めを付してURから取得したものです。ですから私は、平成30年1月15日の総務委員会で『最終的にはURが、全部払うということで間違いないでしょうか』と念を押しました。これに対し、当時の政策企画課長、後の副区長は『最終的にもし、求償すべき内容が出てくれば、求償されるものだというふうに認識をしております』と答弁しました。その場には、区長も出席しておられました。
しかし本区は今、譲渡代金のおよそ三割に当たる6億円を、区民の負担で支払おうとしています。一体8年前のあの答弁は、何だったのでしょうか。問うべきは、URから本区へ、本区から大学へと、二つの契約がそれぞれどうなっていたのか、大学との契約をどう変えてきたのか、食い違いがどこで生じたのかです。以下、順次伺います。
(1)平成30年の議会への説明と、令和5年に土壌汚染対策費用を負担しないとした契約解釈について伺います。本区は本年6月11日の総務委員会において、解決金6億円を支払う方針を報告しました。平成30年1月15日の総務委員会において、本区は本件契約案について『本件土地の隠れた瑕疵や土壌汚染、地中障害物の存在については、平成35年2月22日までに通知されたものに限り、区がその責めを負うものとしております』と説明しました。東京理科大学は、この期間内である令和5年2月17日に通知を行っています。ところが本区は、令和5年3月20日の総務委員会において、『引渡日以後、存在が判明したものではない』として、土壌汚染対策費用を負担できない旨を報告しました。
① 平成30年に総務委員会に行った説明と、令和5年に本区が示した契約の解釈とは、両立するものでしょうか。
② 本区は、契約締結前の物件説明書に自然由来のヒ素等について記載していたことを理由として、契約後に対策費用を要する土壌汚染の存在が判明しても、「引渡日以後に判明した場合」には当たらないとの解釈を示しています。
ア) 本件契約には、契約締結前に説明した土壌汚染を第13条の対象から除外すると明記した規定があるのですか。ないのであれば、どの条項のどの文言をどのように読めば対象外となるのか、お示しください。
イ)この解釈を平成30年の本件契約の締結時から想定していたのであれば、なぜその解釈を総務委員会で説明しなかったのでしょうか。想定していなかったのであれば、その旨を明らかにしてください。
③ 東京理科大学側の打合せ記録によれば、令和4年6月24日の打合せにおいて、本区の政策企画課は、URを相手に裁判をしても勝てないと法務課が判断したならば区議会で東京理科大学に負担金を支払う準備を進めていくことになる旨を述べ、対策費用が約10億円との見込みを聞いて、考えていた額の五倍位だと応じたと記録されています。
ア)この「考えていた額」とは、本区が東京理科大学に支払うことを想定していた額ではありませんか。
イ)本区が作成した令和4年8月2日の東京理科大学との打合せ議事録では、負担できない旨を伝えるとともに、法規担当に改めて確認したのは最近のことであると述べています。この確認は、いつ、何を契機に行ったものですか。
ウ)令和4年6月24日の打合せ記録にある本区職員の発言は事実ですか。本区の認識と相違する点があるのであれば、どの記載が、実際にはどのような発言であったのかを具体的にお示しください。
(2)URへの費用負担請求について伺います。平成30年1月15日の総務委員会において、私が本件土地の瑕疵担保とURとの関係を質したのに対し、当時の契約管財課長(現・総務課長)は『基本的に区は、URのほうに求償していこうというふうには考えてございます』と答弁しました。また、当時の政策企画課長(後の副区長)は、東京理科大学との契約が平成35年2月22日までを期限とすることから『同じような時期まで延伸ができるように、URと今、協議をしている』こと、そして『最終的にもし、求償すべき内容が出てくれば、求償されるものだというふうに認識をしております』と答弁しました。
平成20年2月27日のURと葛飾区土地開発公社との土地譲渡契約は、第15条第1項第2号において、URの費用負担を引渡日から5年間としています。同条第3項は、契約締結日以降の法令の改正等により新たに必要となった費用を、公社又は表示土地の再譲渡等を受けた者の負担と定めています。自然由来の土壌汚染が規制の対象とされたのは、この契約の締結後である平成22年4月1日に施行された改正土壌汚染対策法によるものです。さらに、同契約の別紙には、その由来が自然的原因であると判断されたヒ素等の処分に要する費用は、譲受人の負担とする旨が注記されており、平成20年2月22日付でURから交付された物件説明書にも同旨の記載があります。
① 平成25年3月13日付でURに対して行った通知は、何を対象とし、自然由来の土壌汚染の対策費用も対象に含まれていたのでしょうか。
② 平成30年当時、本区はURと協議を行っていますが、契約上はじめから対象外である自然由来の土壌汚染の処理費用についても協議したのでしょうか。
③ 東京理科大学側の打合せ記録によれば、令和4年6月10日の同大学との打合せにおいて、本区の政策企画課は、令和3年5月の協議会の際にURから、自然由来による汚染土は支払いの対象外である旨の説明を受けていると述べたと記録されています。
ア)この令和3年5月の協議会は、いつ、どのような場で、どのような出席者により行われたものなのかお答えください。
イ)URから受けた説明内容と、その記録の有無をお答えください。
④ 本区とURとの契約の規定や物件説明書では、自然由来の汚染土の処理費用ははじめからURの負担の対象外とされていました。
ア)本区が、自然由来の汚染土の処理費用はURに求償できないと認識したのはいつですか。URとの契約締結時の平成20年か、東京理科大学との契約時の平成30年か、URから説明を受けた令和3年5月か、それ以降か、時点を特定してお答えください。
イ)本区は平成30年当時、自然由来の汚染土の処理費用について、URとの契約のどの条項を根拠に、URに負担を求めうると判断していたのですか。第15条第3項及び別紙の注記との関係も含め、条項を示してお答えください。
⑤ 本年6月11日の総務委員会で、私のリーガルチェックの質問に対して総務課長は『当然、所管課とあと、法規と、それでリーガルチェック等を行ってこれでいけるということで出したのはたしかでございます』と答弁したことについて、
ア)土地開発公社とURとの契約書及びURが交付した物件説明書には、自然由来の汚染土の処理費用はURが負担しない旨の記載がありますが、リーガルチェックでは該当部分の条文等を確認しましたか。
イ)第2回契約では、本区が自ら第1回契約の第13条第1項及び第2項第4号を引き継がず、しかも、平成23年に交付した物件説明書では、自然由来の汚染土壌の処分費用を『選定法人の負担となります』とする従前の記載を削除していますが、リーガルチェックでは、この点を確認しましたか。
ウ)本件和解の対象となった第3回契約も、これらの条項を引き継がないまま締結されていますが、リーガルチェックでは、引き継がないままで法的に問題がないと判断したのでしょうか。
⑥ 当時の契約管財課長(現・総務課長)は、平成30年に『URのほうに求償していこう』と答弁し、本年6月には『リーガルチェック等を行ってこれでいける』と答弁した当事者です。平成30年の答弁の時点で、自然由来の汚染土の処理費用はURが契約上負担しないという認識があったのであれば、なぜ自然由来の汚染土を除外せずに『求償していこう』と答弁したのですか。認識がなかったのであれば、契約を所管する課長として、URとの契約書の別紙及び物件説明書をどのように確認した上で、この答弁を行ったのでしょうか。
⑦ URへの自然由来の汚染土の処理費用の求償について伺います。
ア)本区は、令和5年2月17日に地中障害物の撤去費用についてはURに負担を求める通知を行いながら、土壌汚染の対策費用については通知を行っていません。なぜ両者で対応を分けたのですか。
イ)本件解決金6億円の原因となった汚染土処理費用に相当する額の全額又は一部を、今後URに負担を求める考えはありますか。求めないのであれば、その理由をお答えください。
(3)平成23年の契約及び物件説明書の見直しについて伺います。平成20年6月の大学整備公募要項に付した物件説明書には、本物件の一部(地山以深)に基準値を上回る自然由来のヒ素等が存在し、掘削工事の際に発生する汚染土壌の場外処分費用は『選定法人の負担となります』と明記されていました。また、平成21年3月26日の第1回契約には、契約締結日前に判明している土壌汚染は本区の費用負担により対策を講じる旨の第13条第1項と、自然由来のものが判明したときはその処分費用を協議により決定する旨の同条第2項第4号が設けられていました。この第1回契約の締結前、平成21年1月に東京理科大学から、自然由来による汚染土壌の対策費用を本区の負担とするよう要望があり、本区は同年2月20日付の文書で、遊歩道や緑地部分の処分費用は本区が負担するが、その他の建築部分については大学の負担をお願いする、と回答しています。平成22年4月1日の法改正により自然由来の土壌汚染が規制対象とされた後、平成23年11月1日の第2回契約では、この第13条第1項と第2項第4号のいずれも引き継がれませんでした。あわせて、その際に本区が東京理科大学へ交付した物件説明書では、自然由来の汚染土壌の処分費用を『選定法人の負担となります』とする記載が削除される一方、本区が必要な措置を講じる対象は、『平成15年に改正された汚染土壌処理基準』を超えた対策から『平成22年に改正された汚染土壌処理基準』を超えた対策へと改められています。
① 第2回契約において、第1回契約の第13条第1項及び第2項第4号を、
ア)いずれも引き継がなかった理由を答えてください。その際、URとの契 約における費用負担の範囲を考慮したのですか。
イ)第2項第4号については、自然由来の土壌汚染が規制対象となった後、 最初に締結した契約で削除した理由は何ですか。
ウ)これらの条項を引き継がなかった結果、自然由来の汚染土の処理費用 は、契約上いずれの負担となったと本区は考えていたのですか。
エ)本区が作成した令和4年8月2日の打合せ議事録では、東京理科大学が、平成23年契約書作成の経緯の記録が同大学に残っており、自然由来の汚染土の条項は法改正に伴い変更したもので、本区が負担するとされていたと述べたのに対し、本区は『継続的に協議していきたいと考えている』と述べるにとどまり、これを否定していません。本区は、この認識を否定するのですか。また、本区には、これらの条項を引き継がなかった経緯を示す記録が残っているのですか。
② 平成23年の物件説明書について、上記のとおり記載を改めた理由を示してください。
③ 平成22年の改正土壌汚染対策法は、自然由来の土壌汚染を規制の対象としたものであって、その対策費用を売主と買主のいずれが負担するかを定めるものではありません。自然由来の土壌汚染の対策費用を東京理科大学の負担とする定めを設けることは、平成23年の第2回契約においても、平成30年の本件契約においても可能であったにもかかわらず、いずれの契約においてもそのような定めを設けなかったのは、どのような判断によるものでしょうか。
(4)本件の和解の判断、原因、責任及び検証について伺います。平成23年及び平成30年の各土地譲渡契約は、いずれも区を代表して現区長が締結したものです。また、本件和解議案も区長が提出するものです。
① 本件和解は、本区が平成30年の本件契約に基づく支払義務を認めて解決金6億円を支払うものなのでしょうか。それとも、支払義務の有無を確定しないまま、紛争を解決するために支払うものなのでしょうか。後者である場合でも、本区自身は現時点において、本件契約に基づく支払義務があったと認識しているのでしょうか。
② この6億円の区民負担が生じるに至った原因について伺います。
ア)区長は、どの時点における、どのような判断、契約又は事務に問題が あったと分析しているのでしょうか。
イ)これらの原因分析は、文書として整理されていますか。整理されているのであれば、和解議案の審査に際し資料を提示する考えはありますか。整理されていないのであれば、その理由をお答えください。
③ 裁判所の和解案メモでは、本件契約について、引渡日以後に対策費用を要することが判明した場合には買主負担とする合意であったと解するには『契約文言が不足しており』、そのような合意があったと解釈することは困難との考え方が示されています。区長は、これら一連の契約締結、契約内容の見直し及びその後の対応を経て、公金から6億円の解決金を支出しようとしていることについて、どのような責任があるとお考えでしょうか。
④ 本件について、区の内部のみで検証を行えば、自らが行った契約及び判断を自ら検証することになります。問題の有無及びその所在を、独立性のある第三者を交えて検証すべきと考えますが、区長の考えを伺います。行わないのであれば、その理由をお答えください。
公金から6億円を支出する以上、各質問に対し、事実と根拠を明らかにした、具体的かつ誠実な答弁を求めます。なお答弁如何によっては再質問いたします。以上で質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
【区長答弁】
小林議員のご質問にお答えをいたします。
本件における問題点の分析と責任についてのご質問にお答えいたします。
土壌汚染対策法の改正に伴う契約見直し時や平成30年の契約時に、物件説明書で開示していたリスク分担を契約書本文の明確な特約条項として反映できなかったこと、これらの内容についての大学側との意思疎通が不足していたこと、法務審査のプロセスなどに問題があったと分析をしております。
この結果を重く受け止め、二度とこのような事態を起こさぬよう、契約実務や法務審査体制の強化、公文書管理の徹底といった再発防止策を全庁一丸となって実施をしてまいります。 以上です。
【総務部長答弁】
平成30年と令和5年の総務委員会における契約解釈についてのご質問にお答えいたします。
平成30年の総務委員会における「基準に適合しない土壌汚染の存在が判明した場合には区の責任に応じて対応する」との説明は、契約書第13条第1項の規定を踏まえ、土地の引渡し後に土壌汚染の存在が新たに判明した場合には、契約内容等に基づき区の責任に応じて対応するという考え方をお示ししたものでございます。
一方、令和5年の総務委員会でご説明した内容は、土地の引渡し後に新たに存在が判明した土壌汚染の対策費用については区が負担する一方、契約締結前にその存在及び費用負担について譲受人に開示し、説明していた土壌汚染については、同項の対象には含まれないというものでございます。
そのため、平成30年の説明と令和5年にお示しした契約の解釈は、矛盾するものではなく、両立するものと考えております。
次に、土壌汚染に係る契約条項と平成30年当時の総務委員会への説明についてのご質問にお答えいたします。
まず、契約締結前に説明した土壌汚染を契約書第13条の対象から除外する旨を明記した規定はございません。
一方、契約書第13条第1項は、「引渡日以後、この契約の締結日における土壌汚染対策法第6条第1項第1号に定める基準又はその他関係法令に定める基準に適合しない土壌汚染の存在が判明した場合」の費用負担を定めたものでございます。
区といたしましては、この文言から、引渡日以後に新たに存在が判明した土壌汚染を対象とする規定であり、既に存在が判明していた土壌汚染は対象外であると認識しておりました。
また、地山以深の自然由来の土壌汚染につきましては、平成20年の公募時にお示しした物件説明書等において説明していたことから、区では、契約締結当時から本件の土壌汚染は同項の対象にならないものと考えております。
このため、平成30年当時の総務委員会では、その点について特段の説明を行わなかったものと理解しております。
次に、平成25年のURへの通知と平成30年当時の協議内容についてのご質問にお答えいたします。
平成25年3月のURへの通知は、地中障害物等の瑕疵担保責任を包括的に保全する目的で行ったものであり、契約書第15条第13項により当時の土──失礼いたしました。契約書第15条第3項により、当時の土壌汚染対策法において対象とされていなかった自然由来の土壌汚染の費用を特定して求めたものではございません。
また、平成30年総務委員会では、期間延伸についてURと協議中である旨答弁いたしましたが、この協議は包括的な責任期間の延伸を求めたものであり、先ほど申し上げた自然由来の土壌汚染に関し、URに負担を求める具体的な協議を行った事実はございません。
次に、URへの求償に関する認識時期と当時の根拠条項についてのご質問にお答えします。
自然由来汚染が求償対象とならないことは、平成20年の土地開発公社とURの契約において明記されていたものと認識しております。契約書第15条第3項では、契約締結後の法令改正等により新たに必要となった土壌汚染対策費用は、土地開発公社又は再譲受人の負担とされ、別紙注記においても自然由来の土壌汚染に関する取扱いが明記されているためです。
したがって、平成30年当時も自然由来の土壌汚染について、URに求償できる契約上の根拠はないものと認識しており、求償可能と判断していたわけではございません。
次に、土地開発公社とURとの契約、東京理科大学との第2回契約及び同大学との第3回契約のリーガルチェックについてのご質問にお答えいたします。
本件のような重要な契約を締結する場合には、原則リーガルチェックを行うこととしています。しかし、平成20年2月27日の土地開発公社とURとの契約、平成23年11月1日の東京理科大学との第2回契約につきましては、当時の記録が残っていないため確認することができません。
同大学との第3回契約に関する相談においては、第2回契約からの変更部分についての相談が主となっていたため、第1回契約から第2回契約に引き継がれたもの、引き継がれなかったものという視点でリーガルチェックを行った記録はございません。
しかし、裁判所から契約文言の不足を指摘されたことについては真摯に受け止め、適正な法務審査を行うよう改善に努めてまいります。
次に、当時の契約管財課長の答弁についてお答えいたします。
平成30年の総務委員会における「URのほうに求償していこう」との答弁は、URとの契約上、求償すべき内容が生じた場合には、求償できるものを求償していくという基本的な考え方を申し上げたものでございます。
一方、土壌汚染対策法の改正により対象となった自然由来の土壌汚染に係る費用については、URとの契約では求償の対象とはなりませんでした。
そのため、当時の答弁は、自然由来の土壌汚染に係る費用をURに求償する趣旨で申し上げたものではございません。
次に、URへの通知において対応を分けた理由と費用求償についてのご質問にお答えいたします。
地中障害物については、URとの契約書第16条により求償対象とされていたことから、令和5年2月17日に通知を行いました。
一方、自然由来の土壌汚染については、同契約書第15条第3項に、契約締結後の法令改正等に伴い新たに必要となった土壌汚染対策費用は、土地開発公社又は再譲受人の負担とする旨が定められており、URに負担を求める契約上の根拠がなかったことから、通知を行わなかったものと認識しております。
同様の理由により、汚染除去費用6億円の全額又は一部について、今後URに負担を求める考えはございません。
次に、平成23年の契約における変更理由と費用負担の認識についてのご質問にお答えいたします。
第1回契約については、土壌汚染対策法改正前の契約であり、自然由来の土壌汚染が法令上の対象とされていなかったことから、その対応について甲乙協議により定める条項を設けておりました。
その後、第2回契約を締結するまでの間に土壌汚染対策法が改正され、自然由来の土壌汚染についても法令上位置付けられたことから、URとの契約上、URに求償できないことも踏まえつつ、第1回契約書の内容を見直し、新たに第2回契約書を調製したものと考えております。
なお、公募時の物件説明書において、既に明らかになっている自然由来の土壌汚染の存在及びその取扱いについてあらかじめ示していたことから、当該対策費用については譲受人の負担であると認識していたものと理解しております。
次に、本区自身は現時点において、本件契約に基づく支払義務があったと認識しているのかについてのご質問にお答えいたします。
議案第73号の5⑴に「被告は、原告に対し、本件について、平成30年2月23日付土地譲渡契約書に基づき汚染除去費用として、金6億円の支払義務があることを認める」とあるように、本件契約に基づく支払義務があったことを認めて汚染除去費用として支払うものでございます。
以上です。
【政策経営部長答弁】
職員の発言内容と法規担当への確認の経緯についてのご質問にお答えいたします。
令和4年6月24日の打合せにおける職員の発言は、東京理科大学側から約10億円という土壌汚染対策費用が示された際の、その金額規模に対して述べたものに過ぎず、区の支払義務を認めたものではございません。
区は公募時の開示に基づき、自然由来の土壌汚染は大学負担と認識をしておりましたが、令和4年3月に基準超過の報告を受け、巨額の費用請求が現実化したことを契機として、同年6月から総務課法規担当係に対し、契約条項と事前開示の経緯から同大学が主張するような支払義務が区にあるか否かといった確認を行ったものです。
次に、令和3年5月の協議会とURからの説明内容についてのご質問にお答えいたします。
令和3年5月17日に、葛飾キャンパスの現場事務所会議室において「葛飾キャンパスⅡ期計画新築工事についての打合せ」が開催されました。出席者は、本区は政策企画課と契約管財課、東京理科大学、UR、施工者の大成建設、設計監理の日建設計の実務担当者です。
URからは、土地譲渡契約における瑕疵担保責任の範囲について、地山部分以下の掘削土は費用負担の対象外であり、瑕疵となるのは汚染土処分費用の差額のみである旨の説明がなされました。この協議内容は、大成建設作成の打合せ議事録に記録されております。
次に、令和4年8月の大学側の主張に対する本区の認識と協議記録についてのご質問にお答えいたします。
大学側の「法改正に伴い土壌汚染対策費用は区の負担となった」との認識については、本区の認識と異なるため否定しております。打合せの場で「継続協議」としたのは、双方の対立する主張を一度整理し、過去の経緯や法的根拠を慎重に確認するためです。
なお、区側にも当時の契約変更に関する内部文書等は保存されておりますが、特約事項の取扱い等について大学側との齟齬を未然に防止し得る協議記録が不足していたことは事実であり、改善すべき課題であると認識をしております。
次に、物件説明書の記載変更の理由と特約条項についてのご質問にお答えいたします。
平成23年の物件説明書の改定は、土壌汚染対策法の改正を踏まえて記載を整理したものであり、公募当初の「地山以深は選定法人の負担」というリスク分担の原則を変更する意図はなかったところです。
また、第2回・第3回契約において東京理科大学が負担する旨の特約を設けなかったのは、公募要項の物件説明書で地山以深の汚染処理費用は選定法人の負担として開示済みであり、契約書の文言からも、引渡し以後、土壌汚染の存在が判明した場合のリスクに対する買主負担は、当然のものと認識していたところです。
次に、和解議案の審査に際する資料提示と第三者機関による検証についてのご質問にお答えいたします。
本件につきましては、裁判所における審理の中で双方の主張、証拠が尽くされ、裁判所からの和解勧告等を通じ、契約文言の不足やリスク分担の明記を欠いた点など、問題の所在や原因は既に明確に特定されていると認識をしております。
したがって、現時点において第三者機関を設置して改めて検証を行う考えはございません。
また、本日ご説明した原因分析等について庁内で整理しているところですが、裁判所の勧告理由については6月の総務委員会において報告を行ったところであり、和解議案の審査に際し資料を提出する考えはございません。
今後、明らかになった原因と課題は直視し、契約実務や法務審査体制の強化、公文書管理の徹底といった再発防止策を全庁一丸となって実施してまいります。
以上です。
【小林ひとし再質問】
それでは、再質問をさせていただきます。
特に、今回、リーガルチェックの質問に対して、記録は残っていないというような答弁があったと思うんですけれども、これは極めてずさんというふうに思います。
このリーガルチェックなんですけれども、本当に残っていないんでしょうか。この問題は、実は、チェックしたといえば、その先にいろいろな問題が出てくるわけです。チェックしたことによって、当然、文言を外す、「選定法人の負担」とか、そういう文言を外すわけですから、当然、葛飾区に負担が及んでくる。それをチェックしていないということであれば、本当にこのリーガルチェック自体が成り立っていなかったということになるわけです。
今回の、この当時の記録が残っていないというのは、本当かどうか分からないんですけれども、これすらありえない。自治体として、自治体事務としてありえないことだというふうに私は思っております。
まだまだいろいろ聞きたいことがあるわけでありますけれども、後の総務委員会や決算審査特別委員会で伺いますけれども、改めて、この再質問として一点だけ。
この記録が残っていないというのは、当時から作成をしていなかったのか、それとも、作成したけれども現在保存されていない、どこか紛失した、そういう状況なのか。いずれの状況なのかというのを、改めて説明していただけませんでしょうか。よろしくお願いします。
【総務部長答弁】
まず、この平成20年のURとの契約、そして平成23年の理科大との第2回契約に際しての記録が残っていないというふうにご答弁差し上げました。
まず、その記録があったのかなかったのかというところも、ないので確認はできないんですが、一般的に、今、リーガルチェックと言われるものを、いろいろな相談の中では今は記録を残すようにしておりますが、仮にそれを作っていたとしても、年代的にだいぶ古いので、文書保存の観点からは残っていないということも考えられます。
作っていたかどうかも含めてなんですけれども、私には分からないところで、とにかく残っていないというのが現状でございます。
その上で、第3回の契約において、その契約のリーガルチェックの視点は、いわゆる1回から2回というより、2回から3回に引き継ぐところでの視点でしていたものですから、その視点に関する部分は記録がないということでございます。
全体を通して、ご答弁申し上げているように、その時々のリーガルチェックはしていたかと思いますが、どこに書いてある、ここに書いてある、法改正がここにあったということで、その時々の判断でさせていただいていたものというふうに私は認識をしております。
以上でございます。

